2014年8月4日星期一

父に「命の危険」 精神科医勧めで

長崎県佐世保市で同級生を殺害したとして逮捕された高校1年の女子生徒(16)が一人暮らしをしていたのは「父親らに命の危険がある」と生徒を診察した精 神科医の勧めがあったためだったことが3日、分かった。また、生徒の親は事件前日、県の児童相談窓口に相談するため電話をかけていたことが明らかになっ た。

 同じ市内に自宅がありながら、マンションで一人暮らしをしていた女子生徒。診察した精神科医の勧めで“独立”していたことが父親の弁護士の話から明らかになった。

 弁護士によると、生徒は3月2日、自宅で父親の頭部を金属バットで殴って大ケガをさせた。動機などがはっきりしなかったため、父親は同月から2つの精神科に女子生徒を通院させた。診察した医師は「このまま同じ家で寝ていると、命の危険がある」と父親に助言したという。

 生徒は今年4月から、市内にあるマンションで一人暮らしを始めたとみられるが、この部屋が事件現場となってしまう。あまりに不自然な独居の理由はこれま で「今秋からの(オーストラリアへの)留学準備のため」「(父親が再婚し)自宅に居づらくなったのでは」などと報じられていた。

 弁護士は「手遅れとなってしまったが、父親は何もしていなかったわけではない。父親は心から申し訳ないと思っていると認識している」と述べた。弁護士を 通じて応じた2日の共同通信の取材でも、書面で「複数の病院の助言に従いながら夫婦で最大限のことをしてきた」とつづっていた。

 生徒をめぐっては、事件前の6月10日、診察した精神科医が精神状態の不安定さを懸念し「小学生の時に薬物混入事件を起こした。中学生になって父を殴打 した。小動物の解剖をしている。このままいけば人を殺しかねない」と長崎県の児童相談窓口がある佐世保こども・女性・障害者支援センターに相談、対策を求 めた。

 医師は事前の危険信号をキャッチしていたものの、生徒名が匿名だったため県は適切な対応を取らなかった。結果的に同級生の首と左手首を切断するという、凄惨(せいさん)な事件につながってしまった。

 この医師と別居を勧めた医師が同じ人物かどうかは分かっていない。タオバオ